企業紹介や採用パンフレットの多言語制作は、インバウンド対策など海外の顧客獲得には欠かせません。また、労働力の補強といった企業として成長するためのメリットもあります。

ただし多言語化したパンフレットは、仕上げ方にバリエーションがあり、「1冊にまとめるべきか?」「デジタル版にすべきか?」と悩む方が多くいらっしゃいます。

ここでは多言語パンフレットを制作する前に知っておくべきことを徹底的に解説します。また、制作する際の発注方法についてもまとめているので、参考にしてみてください。

多言語でのパンフレット作成が必要な理由

日本語以外の言語で作られたパンフレットは今後、海外顧客を獲得するために幅広い企業で必要になっていくと考えられます。

コロナ禍の影響で国内外の移動が制限されていますが、いずれ自体は終息していきます。少しずつコロナの影響が落ちつき始める前の段階で、パンフレットを複数の言語で制作しておくことで、変化に慌てることなく成長のチャンスをつかみやすくなります。ここからは多言語パンフレットの役割が今後、大きくなっていく理由を紹介していきます。

販路開拓

日本国内を訪れる外国人の数は年ごとに増加傾向にあり、会社案内や製品またはサービスの案内を多言語化することで販路拡大に繋がります。観光庁が令和2年に発表した多言語対応の取り組みを紹介した資料によれば、訪日外国人に向けた列車やバスなどの乗車方法を事細かに対応していることは明らかです。

日本語を理解できない人でも快適に旅ができる環境となっているので、自社の製品やサービスを英語や中国語といった多言語で、ストレスなく理解してもらうことは売上向上に貢献します。

また多言語化した資料を制作しておくことは、積極的に海外に情報を発信する場面や、海外で事業を展開する際に大きく役立ちます。文字やイメージで情報を伝えられるパンフレットは、販路開拓には欠かせないツールです。

〈参照〉多言語対応改善・強化のための観光庁の取組/観光庁

インバウンド需要

訪日客を対象として日本国内の製品やサービスを提供するインバウンド需要の対策も欠かせません。

内閣府では、外国人旅行者数を左右するとされているLCC就航便数を見積もった数値を発表しています。2020年の時点で控えめで3,800万人弱、多い場合には4,200万人を超えるとしました。新型コロナウイルス流行の影響で数値は低調ですが、数年後を見据えて対策しておくことで、事態の変化に対応しやすくなくります。

〈参照〉第2章 第3節 今後のインバウンド需要拡大への展望/内閣府

企業の海外展開

海外支社や生産拠点などを海外に設ける予定がある場合、多言語化したパンフレットを持っておくと、事業の成長を助けてくれます。現地で従業員を募るための採用パンフレット、取引先との関係を築くための営業ツールとして企業パンフレットが役立ちます。

国内の労働者不足・求職者のグローバル化

日本国内だけで製品やサービスを提供する企業であっても、パンフレットの多言語化は避けづらい状況に変化しています。多言語での資料が必要なのは旅行者だけではなく、日本で学ぶ留学生や就労者も対象となります。

外務省では、2020年を目途に留学生受入れ30万人を目指す「留学生30万人計画」を推進しています。また、留学生の約6割は日本での就職を希望しています。このことから、日本だけで製品を提供する企業でも、日本語以外の言語を使う人を対象に自社製品やサービスを紹介していくことが、成長のチャンスになると言えるでしょう。

〈参照〉外国人留学生の就職促進について/経済産業
〈参照〉外国人労働者を巡る 最近の動向と施策について/厚生労働省

多言語版パンフレットの種類

多言語版パンフレットは紙やデジタルなど、種類ごとの特徴を理解しておくと発注する際に役立ちます。

1冊にまとめる

日本語と他言語を1つのパンフレットにまとめて掲載する方法です。パンフレットを手にした人は、自由に自分の言語で情報を集めることができます。

多言語版を別途作成する

日本語版とその他の言語を別の冊子で用意する方法です。対応する言語が増えるほど、用意するパンフレットのバリエーションもたくさん作る必要があります。

多言語でのデジタルパンフレット

インターネットを経由して公開するパンフレットで、自社サイトなど場所を選ばずに掲載できます。資料請求として問い合わせた人だけに公開することも可能です。

パンフレットを多言語化するメリットデメリット

ここではパンフレットの種類ごとに、多言語化するメリットとデメリットについて説明します。

1冊にまとめると費用を抑えられる

日本語とそれ以外の言語を1冊にまとめて作る方法があります。この方法はたくさんの人に1冊のパンフレットを共有してもらう場面などに役立ちます。例えば多様な国の訪日客が利用する空港にパンフレットを置く場合など、どの言語でどれくらいの部数を用意するか定めることが難しい場合に便利です。

ただし、多言語で文字数が増えると、1冊あたりのページ数が多くなるので印刷や製本のコストが高くなる場合もあるので注意しましょう。

多言語版を作成するとわかりやすい

作成する言語が決まっている場合は、日本語版と別の言語でそれぞれ別のパンフレットを用意すると、少ないページ数で必要な部数を用意できるのでコストを削減できます。

英語のような汎用性が高い言語で作る場合に適しています。複数の言語で用意する場合は、必要な言語の分だけ印刷やレイアウトなどの制作コストがかかります。

デジタルパンフレットは紙で作成するよりも修正コストが低い

デジタルパンフレットはオンラインで配信でき、海外にいる人でも簡単にアクセスできるので便利です。レイアウトなどのデザインは紙のパンフレットと同様にかかりますが印刷や製本が必要ありません。

そのため基準となるものを完成させてしまえば、どれだけたくさんの人に配布しても追加でコストが発生しないのでコストを抑えられます。また年度ごとに更新する情報がある場合にも、すぐに変更できるので魅力的です。

パンフレットを多言語化する場合に抑えておくべきポイント

日本語版パンフレットを多言語化する場合、表現や表記で気をつけなくてはいけないことがあるので、一つずつ確認しておきましょう。

翻訳の表現に注意!ネイティブ・バイリンガルのチェックが必須

Google翻訳やDeepLのような、従来よりも精度が高いと評判の翻訳ツールが増えています。日本語を入力するだけで、英語だけでなく他の主要言語へ瞬時に変換されるのでとても便利です。

ただし以前の翻訳ツールより精度が高まったとはいえ、正しい表現ができていると言い切ることはできません。不自然な表現が含まれてしまうこともあるので、必ず対応する言語を正しく理解している人にネイティブチェックをしてもらいましょう。チェックを依頼するのは、対応言語を母国語とするバイリンガルの翻訳者が理想です。

金額の表記に注意

数字はたくさんの言語で共通して使われていますが、価格の表記は世界共通ではないため注意が必要です。日本人では当たり前の常識として理解している「税込」「税抜」は、海外の人からすると税率がわからず混乱を招くことがあります。価格を税込で表記するなど、はっきりとわかるようにすると誤解を避けられます。

専門用語の表記に注意

専門用語の翻訳は間違えやすいので注意が必要です。パンフレット内で使う専門用語が固有名詞の場合は間違いが起きづらいですが、一般用語として使われている単語が専門用語としての意味を持つ場合は、翻訳でのミスが起きやすいので、入念に確認しておきましょう。

多言語版パンフレットの作成方法

パンフレットを作る方法にはいくつか種類があり、それぞれ費用やクオリティに違いがあります。

自社で行う

自社でのパンフレット作りは、効率良く制作が進められ、事業や製品の理解もよくできている場合が多いので、理想的です。

しかしパンフレットを作る専門的な知識と技術を持った社員がいない場合、この方法はおすすめできません。特に多言語化したパンフレットをしっかりと作る場合は、言語に合わせたレイアウトの理解などが必要です。

フリーランスのデザイナー・翻訳家に依頼する

付き合いがあるフリーランサーに委託するのも一つの手段です。例えば既に日本語版パンフレット作成をフリーランサーに依頼した場合などは、他言語版のデザインも同じように委託するとスムーズに作業が進みます。

ただし事業内容を適切に伝えられる翻訳家を見つける手間がかかったり、新規でフリーランサーを探すのが大変だったりすることもあります。既に付き合いがある場合に限って、この方法はおすすめです。

制作会社に依頼する

多くの企業にとって都合の良い方法は制作会社に依頼することです。日本語はもちろん、多言語化パンフレットを作ることに慣れている制作会社に頼めば、すべての肯定を安心して頼むことができます。どの方法で依頼するか迷った場合は、制作会社を選びましょう。

まとめ

ここではパンフレットの多言語化に関する注意点を紹介してきました。制作時のポイントなどをしっかりと抑えて、採用や取引先獲得のために効果があるパンフレットを作りましょう。

多言語パンフレット作成が大切な理由と注意点!

  • 販路開拓、インバウンド需要、海外展開を考えた上で多言語版パンフレットは有効
  • 言語ごとに適した表現やレイアウトが必要
  • 多言語版パンフレット作成が得意な制作会社に依頼すると安心