フォントサイズは、パンフレットの印象を大きく左右します。フォント選びで失敗すると読みにくい印象を持たれてしまい、きちんと内容を読んでもらうことができず、大きな機会損失となります。ですが適切なフォントを設定することさえできれば、読み手の興味を惹きつけ、内容を的確に伝えることが可能です。

ここではフォントサイズを中心に、パンフレットで使用するフォントについて解説します。レイアウトやユニバーサルデザインなど、パンフレットで使用するフォントの基本知識を身に付けていきましょう。

パンフレットの読みやすさに影響する要素

パンフレットで文字を使用するために知っておくべきことは5種類あります。一つずつ言葉の意味と特徴を確認します。

フォント

「フォント」とは書体、文字のデザインを意味します。日本語の基本書体は「明朝体」と「ゴシック体」に分けられ、様々なフォントメーカーがデザインを手掛けています。

フォントの種類をそろえることで、パンフレットデザインの統一感を出すことができます。見出しと本文でそれぞれのフォントを変える場合がありますが、種類を増やしすぎるとばらつきが目立ち、わかりづらい印象になります。フォントのバリエーションを適度に豊富にすることで、メリハリのあるデザインに仕上げることができます。

〈参照〉会社案内パンフレットのフォント選び、種類やメリットデメリットについて

フォントサイズ

「フォントサイズ」は”文字の大きさ”を意味しています。本文や見出しによって大きさを変更することで、見やすいデザインとなります。詳しくは「2 フォントサイズの種類とポイント」で紹介します。

行間

「行間」は行と行の”間”です。横書きの文章であれば上下の幅であり、縦書きの文章であれば左右の幅となります。適切な幅を作ることで、すっきりとした読みやすい印象に仕上げることができます。横組みであればフォントサイズの50〜70%、縦組みであれば60〜100%が妥当な幅とされています。

字間

「字間」は文字と文字にある”間”です。横書きの文章であれば左右に隣り合う文字の幅で、縦書きの文章であれば上下に並んだ文字の幅を意味します。

行長

「行長」は”1行の長さ”という意味です。行長を調整することで、ページのレイアウトに余白が生まれます。適切に行長を設定すると、読み手が目で文章を追いかける負担を減らすことができます。

フォントサイズの種類とポイント

フォントサイズの統一は、読みやすいパンフレットを作るための基本です。レイアウトがどんなに優れていても、フォントサイズがうまく設定できていないと、読みづらい印象を与えてしまいます。一般的によく使用される本文の標準サイズや見出しにおけるサイズを確認しておきましょう。

標準(8〜9pt)

標準的な本文のサイズは8〜9ptとされています。企業案内のパンフレットはもちろん、雑誌のような写真やイラストを使用した紙媒体でもこの標準サイズを利用することが多いです。

また、読者が若い場合は標準文字サイズを大きくすることで、読みやすい印象に仕上げることがあります。例えば、高校生の教科書では10.5pt~14pt程度、小学校の教科書では22pt~28pt程度のサイズを使う場合があります。

見出しや重要箇所(10〜12pt)

目立たせたい文字は標準フォントサイズよりも、やや大きく設定します。一つの目安として、標準サイズよりも2〜4ptほど大きくした10〜12ptを選ぶと良いでしょう。

最小(6pt)

印刷物では最小文字サイズは6ptとされるのが一般的です。フォントによっては1つ小さい5ptで読める場合もありますが、文字が潰れて読めなくなる可能性があります。デザインの都合でどうしても小さくしなくてはならない場合を除いて、最小文字サイズは6ptにとどめておくと良いでしょう。

ユニバーサルデザインについて

文化や障害の有無などを問わずに利用できることをユニバーサルデザイン(Universal Design/UD)と呼びます。デザイン全般で使用される言葉ですが、フォントデザインにおいてもこの考えを反映させているものがあります。「UDフォント(ユニバーサルデザインフォント)」といい、年齢や能力に左右されずにより多くの人が理解できることを目指す書体です。

主に、4つの特性を備えています。一つずつの文字を見やすくする「視認性」、文字が並んだ際に区別を付けやすくする「判読性」、フォントとして統一感を持たせるための「デザイン性」、長い文章でも読みやすくするための「可読性」があります。

フォントサイズを決める際の注意点

正しいフォントサイズは、使用する場面により異なります。どのような読み手を対象に、どのような媒体で届ける文章なのかを考慮してフォントサイズを決定していきます。

パンフレットの対象を明確に(年齢、性別)

パンフレットを受け取る人の年齢を意識しましょう。標準的な文字サイズは8〜9ptですが、年齢によっては必ずしも見やすいサイズとはなりません。

特に注意すべき点は老視(老眼)の有無です。人は誰でも年齢とともに焦点を合わせることが苦手になります。この症状は40〜60代にかけて自覚されることが多いため、50歳以上の人を主な受け手とする場合は10.5〜12ptを標準文字サイズにすると良いでしょう。また、小学校から中学校高学年にかけても、小さな文字を読むことに慣れていないため、同様のサイズが適切です。

老視の影響がない16〜50歳ほどの人が主な受け手である場合は、8〜10ptを標準的な文字サイズとして設定すると良いでしょう。

WEBと紙で最適なフォントサイズは違う

一般的にフォントサイズはWEBでは大きく、紙では小さくなります。Googleが推奨する基本フォントサイズ16pxで、iOSの最低フォントサイズは11pt(約14.6px)とされています。その一方で印刷物では、8~10ptが適切とされています。

まとめ

ここではパンフレットに使用するフォントサイズやそれに関連した用語や一般論について解説しました。
弊社では適切にフォントを選ぶことでパンフレットを読みやすく、印象の良いものに仕上げております。また、フォントサイズの選択や行間・字間などのレイアウトも考慮して制作しております。
確かめたい方は下部の「実績・実例はこちら」をクリックしてご確認下さい。